重い副作用報告は下表のとおりです。
(平成26年、厚生労働省発表)
病名 |
報告頻度 |
アナフィラキシー |
0.1件/10万接種 |
ギランバレー症候群 |
0.06件/10万接種 |
急性散在性脳脊髄炎(ADEM) |
0.04件/10万接種 |
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【基本的な考え方】
■ヒトパピローマウイルスはセックスで初めて感染するウイルスであるため
セックスデビューさえ先延ばしにすれば決して今慌てるべきワクチンではない
■HPVワクチンが子宮頸癌を減らすかどうかはまだ「期待されている」レベルであって
臨床研究で確かめられてはいない
(※4価のガーダシルに関しては尖圭コンジローマはちゃんと減らしてくれます)
■大事なのは,家族で性についてきちんと話し合って子供の理解を促すことと
必要な年齢に達したら子宮頸癌検診をきちんと受けること
■CRPSをはじめとして複数の重篤な有害事象が報告されているが
(直後のアナフィラキシーや失神を除いて)HPVワクチンとの因果関係は未だ不明.。
それを専門家が十分検討するための時間的猶予としての「積極的勧奨の差し控え」である
■1回目以降の接種を開始してしまった場合にスケジュールを崩しても免疫獲得がなされるかは
残念ながら根拠を持って言えない。少なくとも米国ACIPもスケジュール崩れをカバーするための
キャッチアップスケジュールを公式に勧告していない
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【全員に共通する説明】
■いわゆる子宮頸癌ワクチンを接種した後に手足に強い痛みが長期間残ったり
動かしにくくなったりした、などの重い症状が複数報告されています。
これが本当にワクチンのせいなのか、別の原因なのにたまたまワクチンの後に
偶然重なっただけなのか、未だに分かっていません。
■よく分からないからこそ、慎重に検討するために、国が一時的に方針を変えました。
ややこしいのですが、「接種の中止」ではないのです。
「さあ皆さんドンドン打ちましょうね、と国が公式に呼びかけることをしばらく控える」
という決定なのです。「打ちたい人には従来どおり無料の接種を行います」ということなのです。
■ちなみに報告されているのは、300万回以上の接種に対して30数例です。
つまりざっと10万分の1の確率です。
■ただこの30数例は「ワクチンのせいだ,関係がある」というものではなく、
「ワクチンのせいかどうか正直分からないけど,絶対違うって言い切る根拠が今はまだないから、
とりあえず検討対象に入れよう」という非常に慎重な姿勢で選んだものもたくさん含まれています。
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